二点を通る直線の式の先にある技術 第1回

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第1回では二点を通る直線の式について復習します。復習することにより、それぞれの用語を直感的に理解し、今後の展開に対する準備をする位置づけです。

最初に直線とはどのようなものか、線分や曲線と対比しながら説明します。次に直線を表す式である一次関数を導入し、最後に2点を通る条件について考えます。

線分と直線

一般的に直線を引いてくださいと言われて直線を書ける人はいません。それは線分です。線分には始点と終点があります。直線にはそれらがありません。無限に伸びていきます。二点を結ぶ線分はその二点を通る直線の一部分です。また、始点もしくは終点のみ存在し、片方が無限に伸びているものを半直線と呼びます。

曲線と直線

直線は曲線の一種です。曲線はその名の通り曲がっているという印象があるかもしれませんが、そうとも限りません。以下、Wikipediaの引用です。

数学における曲線(きょくせん、英: curve, curved line)は、一般にまっすぐとは限らない幾何学的対象としての「線」を言う。

まっすぐとは限らない線なので、まっすぐな線も曲線です。まっすぐというのはどういう性質かもう少し掘り下げて考えてみます。直線は下の図に示すように、直線上のあらゆる場所を細かい四角で区切ったとき(図でいう赤い四角)全部同じようになります。

直線のから微小な部分を切り取ったとき、いかなる場所でも同じになる

対する曲線は細かい四角の中身が違うことがあります。下の図で左下にある四角だと線が平らに、右上にある四角だと線が斜めになっています。

曲線から微小な部分を切り取ったとき、いかなる場所でも同じになるとは限らない

曲線の場合、切り取る場所によって斜め度合いが異なり、直線はどのような場所でも斜め度合いが同じであることがわかります。

直線の式

直線の斜め度合いはどこでも同じということで、式にしたときに一つの数値で表すことができます。それが傾きです。もう一つ切片が決まると直線の式が以下のように求まります。

y = ax + b

この式の中の、aが傾き、bが切片です。これは一次関数の形式になっています。関数はいろいろと変動するxが一つ定まったときにyの値がたった一つだけ定まるものです。円をプロットしたようなものは関数ではありません。二点を通る直線の式を求める問題は、yとxの値の組が二つ求まっているときにaとbの値を求めるものです。

傾き

傾きaは直線の斜め度合いです。傾きが0に近ければ近いほど直線は平坦になり、大きくなればなるほど急斜面になります。以下に傾き0の直線と傾き100の直線の画像をのせます。

傾き0の直線

傾き100の直線

傾きはマイナスの値もとり、その時は右下がりのグラフになります。傾き無限もしくはマイナス無限のときに直線は垂直になります。傾きはxの変化量分のyの変化量で求めることができますが、傾きが無限もしくはマイナス無限になるとき、分母であるxの変化量が0になってしまいます。その場合の式はx=cのようにあらわし、これはyを決定できないので関数ではありません。

切片

切片は直線とy軸との交点の値です。x=0のときのyの値とも言えます。傾きが求まれば、どちらかの点をx, yに代入することで切片bを求めることができます。

2点を通る条件

(x1, y1)(x2, y2)を通る直線は以下の二つの式を満たします。

y1 = a * x1 + b
y2 = a * x2 + b

わからない値が二つ(aとb)に対して、式が二つあるので、(x1,y1) = (x2, y2)等の特別な場合を除きaとbを求めることができます。もし点が一つしかなかった場合、その点を通る直線というのは無数に存在します。

一点を通る直線の式は無数に存在する。

最後に

二点を通る直線の式について、それぞれの用語を復習しました。直線に対して線分や曲線、二点を通るという条件に対して一点を通る場合など、対比しながら理解することでより一層明確にとらえることができたと思います。

予告

  • 2点を通る直線の式を求めるプログラムを作る
  • 3点を通る直線の式はどうなるか
  • もっとたくさんの点はどうなるか
  • 点は2次元上に存在しているが、3次元上、もっと多次元上に存在することを考えなくてよいのか…

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